- たまかずら
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たまかずら【玉葛】※一※ (名)つる性草本の美称。→ かずら※二※ (枕詞)(1)花だけ咲いて実がならないことから「実ならぬ樹」「花のみ咲き」にかかる。 ただし, 普通の語として解する説も有力。
「~実成らぬ木にはちはやぶる神そつくといふ/万葉 101」「~花のみ咲きて成らざるは誰が恋ならめ/万葉 102」
(2)つる草が長くはえのびるところから「遠長し」「絶えず」「はふ」などにかかる。II「~いや遠長く/万葉 443」「~はふ木あまたになりぬれば/古今(恋四)」
たまかずら【玉鬘】※一※ (名)(1)古代の装身具。 多くの宝玉を緒で連ねて頭に飾る。(2)〔「たま」は美称〕(ア)かもじ・かつらの美称。 (イ)仏具の華鬘(ケマン)の美称。※二※ (枕詞)華鬘を「かげ」ともいったので, 「かげ」「掛く」にかかる。III「~影に見えつつ忘らえぬかも/万葉 149」「~かけぬ時なく恋ふれども/万葉2994」
たまかずら【玉鬘・玉葛】(1)源氏物語の巻名。 第二二帖。 また, その女主人公の名。 頭中将と夕顔との間に生まれ, 筑紫に育ってのち, 光源氏に引き取られ, 髭黒大将に嫁した。(2)能の一。 四番目物。 金春禅竹(コンパルゼンチク)作。 「源氏物語」の玉鬘の巻に基づく。 玉鬘の霊が, 旅僧に昔語りをし, 狂乱の態となるが, 僧の弔いによって成仏する。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.